ベストなリクイディティプロバイダーの選び方 その2

by Forexware Team

Thu Oct 13, 2016


マーケットメイカー VS STPブローカー

STPブローカーとしか取引をしたくないという意見をよく耳にします。そういった人たちは、マーケットメイカーと相対取引を行うことに抵抗を感じているようです。事実、オンライン取引が普及したての頃は、顧客に不利な条件で注文が執行されるよう価格を操作していたとの疑惑から、マーケットメイク戦略を用いたブローカーの多くが非難の的となりました。確かに、ブローカーは顧客の損失から利益を得ることができ、抱えている顧客数が少ない時代であれば不当な価格操作を行うことも可能だったでしょう。しかし、これはすでに過去の話です。

 

マーケットメイカー

 

マーケットメイク方式を採用した場合、ブローカーは、常時ビッドとオファーの両方を提示することになります。そして、顧客からの注文をとり、それに応じてリスクを管理します。ストリームを変えることでマーケットの一方のサイドを操作したところで、その操作は同時に、もう一方のサイドにチャンスを生むことになります。膨大な数の顧客を相手に取引を行う今日では、価格を操作することで一定の顧客に対し有利な状況を生むことなく、ある一定の顧客に対してのみ不利な状況を作り出すのは、不可能と言っていいでしょう。

 

また、すべてのマーケットメイカーには、自身の利害を表明する術と権利があります。何を言いたいかというと、例えば、あるマーケットメイカーが大量の売りポジションを保有していて、それを負担に感じていた場合、そのブローカーは、高めのビッドとオファーを提示することができるということです。ビッドとオファーの相場がそれぞれ22と23の時に、このブローカーが22.5のビッドと23.5のオファーを提示してきたとしても、これは、相場操作として捉えられるべきではありません。むしろ、彼らの保有しているポジションの状況によるものです。高値を払わされる買い手にとっては不利益だと言う人もいるかもしれませんが、彼らは売り手に対しても高い買値を提示しています。マーケットメイカーと取引を行う際に注意すべき点は、彼らの提示価格が、通常の市場のスプレッド幅と整合性を保てているかにあります。一定の幅を保って平行に推移するのではなく、魅力的なビッド、もしくはオファーを提示するために頻繁にスプレッド幅を変えるマーケットメイカーには注意が必要です。

 

STPブローカー

 

STPとは、ストレート・スルー・プロセッシング(Straight Through Processing)の略で、ブローカーを介して顧客からの注文を全てリクイディティプロバイダーへ流す取引モデルです。STP方式を採用した場合、ブローカーは、顧客の取引高に応じて利益を得るため、ブローカーと顧客間に利益相反が生じません。とはいえ、STP方式でもリクイディティプロバイダーを選択する際に重要となる注意点がいくつかあります。

 

マーケットメイカーは、顧客の注文をとり、それに応じてリスクを管理します。そのため、マーケットメイカーとの取引では、リジェクトやレイテンシーの問題に遭遇することはほとんどありません。一方、STPブローカーの場合、注文が約定するか否かは、流動性プールの規模に左右されるため、高いリジェクト率に見舞われることがあり、取引数量が大きければ大きいほど、拒否される確率が上がる傾向にあります。

 

ここで、通常のSTP方式の注文の流れについてまとめてみましょう。

 

  1. 顧客からブローカーへ注文が発注される
  2. ブローカーによって注文が受信される
  3. ブローカーからリクイディティプロバイダーへ注文が流される
  4. リクイディティプロバイダーによって注文が受信される
  5. リクイディティプロバイダーによって注文が約定したことが確認される
  6. リクイディティプロバイダーからブローカーへ約定結果が報告される
  7. ブローカーから顧客へ約定結果が報告される

 

このように、STPの場合、顧客の注文を受けてからリクイディティプロバイダーへ注文を流し、戻ってきた約定結果を顧客へ返信するまでに若干の時間を要します。このため、常にレイテンシーがつきものとなります。動きの早い市場でのレイテンシーは、スリッページとして現れます。STPブローカーと取引を行っている顧客から聞こえてくる不満の一つにスリッページがあるのは、これが原因です。トレーダーの中でも、特に影響を受け易いのが、経済指標やニュース発表に基づき投資判断を行うニューストレーダーです。

 

STPブローカーと取引を行う上でのもう一つの懸念材料は、価格調整が可能な点です。STPブローカーによって注文が約定されたとしても、システム障害等からその価格がリクイディティプロバイダーによって受付けられなかった場合、その約定価格は、調整の対象となります。STPブローカーもリクイディティプロバイダーと協議のうえ解決には努めますが、必ずしも顧客にとって有利な結果になるとは限りません。

 

誰とタッグを組むべきか?

 

マーケットメイカーとSPTブローカー。リクイディティプロバイダーとしてどちらを選択するかの判断は、あなたがどういったリテール顧客層を対象としているかによります。例えば、顧客基盤がニューストレーダー中心の場合は、マーケットメイカーを選択することが顧客にとってベストな選択と言えるでしょう。反対に動きの早いマーケットでの取引を頻繁に行わない顧客層だった場合は、STP方式の方が適していると言えます。また、ほとんどのマーケットメイカーは、自身が提供する価格を形成するためにSTPのストリームへアクセスしています。マーケットメイカーの多くは、このアクセスを利用し、リスクマネージャーにより管理されたマーケットメイクのストリームとは別にSTPのストリームも提供しています。

 

このようにリクイディティプロバイダーには、様々な選択肢があります。ここで述べた内容が、リクイディティプロバイダーを選択する際に少しでも参考になれば幸いです。