プライム・オブ・プライム(PoP)エージェンシーモデルとは

by Forexware Team

Fri Dec 8, 2017


今回のブログでは、保証金型のプライムブローカー、プライム・オブ・プライムの仕組みとメリットについてご紹介します。

その前に市場の構図について簡単にご説明しましょう。まず、リクイディティとは、特定の期間に特定の通貨がどれだけ市場で取引されたかを意味します。FX市場参加者には、リクイディティを提供する側(=マーケットメイカー)とそれを受ける側(=マーケットテイカー)の2つがあり、提供する側は、必然的に受け入れる注文に対するリスクを負うことになります。ここで、様々な市場参加者をその関係性に応じて繋げる役割を担っているのが、プライムブローカーです。金融システムや市場の構造上、一般的にティア1のプライムブローカーとして業務を行うことが認められているのは、UBS、RBS、シティ、ドイツバンクなどをはじめとするメガバンクに限られています。

 

そして、それらティア1プライムブローカーの法人顧客のみに与えられるのが、プライム・オブ・プライムの権利です。プライム・オブ・プライムは、信用保証として一定額を口座に預け入れることでティア1プライムブローカーから確保した与信枠を利用し、プライム・オブ・プライムの業務を行います。

 

プライム・オブ・プライムになるには、ティア1プライムブローカーでの口座開設が必須となる訳ですが、口座開設には、一般的に次に挙げる条件が求められます。

  • 顧客資金を除いた数百万ドル程度の当座資産(現金)の用意(口座開設には、最低でも通常200~300万ドルから2,000~3,000万ドル程度の資金力が必要です。)
  • 会社のオーナーを特定する公正証書一式
  • 当座資産の出所を証明する詳細資料(銀行明細、税務申告書 等)
  • 過去3年間(もしくはそれ以上)の取引履歴
  • 適切な金融商品取引業者のライセンス(NFA、FCA等 米国や英国など信頼度の高い管轄地域のものであれば尚良)

 

必要書類提出後には、以下に述べることが待っています。

  • 法的手続きには、最短でも6ヶ月程度を要します。
  • 与えられるレバレッジは最大でも33倍です。(通常は25倍)
  • プライムブローカーの財務部、または法務部の担当者が数回に渡りオフィスに訪れ、提出書類の内容や会社の運営実態の詳細について事実確認を行います。オフィスでの調査に1週間を要することも珍しくありません。
  • プライムブローカーから課せられる手数料は、決して好条件ではありません。チケット毎に個別に手数料が課せられると思っていて良いでしょう。スプレッドと取引条件については、プロバイダーごとに直接交渉が必要です。
  • 銀行には、全取引のレポートを中央リポジトリ(CLS銀行)に提出することが義務づけられておりチケットチャージ(~$1.20/チケット)が発生します。このため、プライムブローカーとの最低取引サイズは、通常2~3ロットに定められます。
  • 取引にはFIX APIを利用するため、自身のアグリゲーターとプラットフォームのインターフェイスを購入、または構築する必要あります。それに伴い、環境整備のためのプログラマーも必要となります。
  • 口座開設後、取引が開始されてから一定期間が過ぎた頃にプライムブローカーによるリスク分析が行われ、レバレッジや取引スタイルに危険性があると判断された場合は、条件が再考されることがあります。分析の結果、その程度によって1)オープンポジションの状況に関わらず突然レバレッジを2倍に下げられることや、2)口座を閉鎖されることがあります。

 

プライム・オブ・プライムとして認められるために必要なのは、ライセンスの取得や上に述べた手続きだけではありません。プライムブローカーから確保した与信枠を通じて、条件に見合うだけの十分な取引量をもたらすことが出来てはじめてプライム・オブ・プライムとして認められるのです。ひと月で20~30億ドルあれば十分と言えるでしょう。

 

多くのブローカーや投資ファンド、さらには銀行がティア1プライムブローカーとの直接的な取引から恩恵を受けることがないのはこのためです。与えられる条件が競争力に欠けるのです。

 

では、プライム・オブ・プライムは、どのように利益を確保するのでしょうか?答えは、次の通りです。

  • 顧客からの手数料
  • リクイディティを市場参加者に提供することから生まれる利益

 

次にプライム・オブ・プライムを選ぶ際に考慮すべき重要ポイントについて考えてみましょう。

  • あなたの注文をインターバンク市場(銀行やその他のプライムブローカー)へ送るプライム・オブ・プライムには、EURUSDの100万通貨の最良気配値のスプレッドを1ピップにすることは不可能です。これは非現実的といって良いでしょう。そこには、次のような理由が挙げられます。
  • プライム・オブ・プライムには、プライムブローカーから手数料が課せられている(与信枠、法的手続き、取引決済、その他のオペレーションに対する費用)
  • 通常、プライム・オブ・プライムは、24時間体制のカスタマーサポートスタッフとプログラマーを抱えている
  • 場合によっては、プライム・オブ・プライムが取引ソフトウェアを提供している

 

これらの理由から、様々な出費や市場の性質を考慮するとEUR/USDの月平均の手数料を含まないスプレッドは、0.2から0.5ピップス程度が妥当と言えるでしょう。手数料を含まずに0.1のスプレッドを提供できると主張するプライム・オブ・プライムの信用性や統計の信憑性は、一見高いように見えるかもしれませんが、それは非現実的です。実際は、ブローカーがそのリスクを負うことになるのです。プライム・オブ・プライムを選択する際には、スプレッドだけにとらわれず慎重に検討しましょう。

 

これらの条件から、プライム・オブ・プライムのターゲットとなる顧客層を推測することができます。

  • 顧客のリスクをヘッジするためのアカウントを必要とするブローカー
  • 顧客の注文を市場に流すことで取引の手数料から利益を得る、リスク明確化型のブローカー
  • 成功戦略のある投資ファンド
  • ブローカーの条件が気に入らないプロトレーダー(Elective Professional;プロとして認められたトレーダー)、またはプライムブローカーと直接取引を行うには資格不足と認識しているプロトレーダー

 

プライム・オブ・プライムの仕組みについて、お分かりいただけたでしょうか?プライム・オブ・プライムとのお取引にご興味のある方は、是非この機会にお問い合わせください。

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